めまい・メニエール


<めまいとは>
めまいの感じ方は

 ・頭の中でグルグル回る感じがする

 ・フワフワする

 

めまいの持続は

 ・一時的に発症

 ・一日中続く

 

などパターンは様々です

 

 

身体を休めても症状が良くならない

何度も繰り返す慢性的なめまい

 

 

と訴える方も増えてきています

 

 

一度めまいを経験すると

再びめまいがおこるのでは。。

と、不安感を持つようになり

外出も恐くてできないケースもあります

 

 

身体的な事だけではなく

メンタルにも影響を及ぼしてしまいます



めまいは

耳鼻咽頭科というイメージがありますが

内科、脳神経外科、眼科、神経科

など、他の診療科目でも訴える症状です

 

 

その際

頭痛・肩こり・不眠・倦怠感

などの自律神経を乱した不定愁訴を

同時に訴えるケースが多いようです



めまいは病院で検査をしても

身体的な異常が見つからず

原因がはっきりしない場合には

「メニエール病」

と病名がつけられることもあります

 

 

・検査をして分かるもの

⇒耳や脳が関与してる事が多い

 

 

・原因がはっきりしないもの

⇒ストレスや不規則な生活習慣など、ホルモンバランスや自律神経を乱している事が多い


西洋医学におけるめまいの考え方


<眩暈の原因>

 

① 回転性眩暈
原因は主に三半規管です

 

 

三半規管の中はリンパ液で満たされており

身体が動くとリンパ液も動き

身体がどの方向に動いたかを感知します

 

 

このリンパ液が何らかの原因により多くなり過ぎると、多くなってしまったリンパ液の圧力でリンパ液が動くことで、身体が動いていると誤って感知。グルグルと回るようなめまいを感じます

 

 



② 非回転性眩暈
原因は主に脳幹や小脳にあります

 

 

これらは平衡感覚をコントロールするところです

 

 

脳幹や小脳の機能が低下していたり

何らかの疾病があるとフワフワするようなめまいがおきます

 

 

この時に

・手に痺れがある

・普段感じない頭痛がある

・ろれつが急に回らない

といった症状が同時にあると

脳血管の異常も疑われるので

専門機関での治療が必要になります

 

 

 


③ 目前暗黒
脳が一時的な虚血状態になることで

立ちくらみなどが起こる状態です


東洋医学におけるめまいの考え方


<めまいに対する東洋医学的な考え方>

 

①肝火上炎
 ストレスを上手く発散できないと

血流や体液の流れを主っている疏泄機能が

低下し、気が身体をめぐることができず、気が滞ります

 

 

気が滞ることにより

身体の熱も滞りやすくなるので熱を生じます

 

 

熱は上に昇る炎上性がある為

下から上へとあがります

 

 

肝火上炎は

熱が上昇して上にうっ滞したものが下に下がらず、気・血・水が身体を廻ることができなくなり、めまいがおこります

 

 

怒ると症状は更に増強します

 


【このタイプでみられる他の症状】
  ・イライラしやすい
  ・すぐ怒りっぽい
  ・張った様な頭痛
  ・不眠・夢を多くみる
  ・顔が赤ら顔
  ・耳鳴り(大きく、高い音がする)
  ・目が充血している
  ・脇肋部が張った痛みがある

 

 

 

②肝陽上亢のタイプ
ストレスなどで身体の中の熱が生じることで

その熱で体内の水が蒸発、不足します

 

 

熱を鎮める水が不足している為

更に熱は下へと下がらなくなります

 

 

そうなると、気の流れが上への一方通行となり、気・血・水が上手く身体を巡ることができなくなり、めまいがおこります

 

 

その他の原因としては

過度の性交、加齢によっても水が不足し

身体の熱を抑えることができず

気の流れが上方向へ一方通行となっているために、めまいがおこります

 


【このタイプでみられる他の症状】
 ・普段から怒りっぽい・イライラしやすい
 ・張った様な頭痛がある
 ・イライラで寝つきが悪い・睡眠が浅い
 ・耳鳴り(キーンと高い音がする)
 ・頬が紅い
 ・手掌や足底が熱い
 ・足腰がだるい

 

 

 

③痰濁のタイプ
ストレスや疲労などで消化器の脾胃が損傷します

 

 

損傷すると

脾胃の運化機能(食物や水分の消化・吸収をおこなう)が低下して水分の代謝が悪くなります

 

 

これで身体の中に湿が生じて

水分が動かず停滞するため

粘性をもつ痰が生じます

 

 

また

甘い物や油物を摂りすぎる等の

飲食不節により痰が生じます

 

 

痰濁による眩暈は痰が中焦に停滞し

脾胃の機能を妨げ気の流れが悪くなります

 

 

そのため清陽が上昇せず

陰が降下しなくなり

めまいがおこります



【このタイプでみられる他の症状】
 ・重だるい頭痛がある
 ・ブーと鳴るような耳鳴り
 ・食欲がない
 ・倦怠感
 ・手足の冷え
 ・むくみやすい
 ・水っぽい様なものばかり吐いてしまう
 ・胸が重苦しい

 

 


④心脾両虚のタイプ
心の血が不足すると

血脈が充実せずに頭に送る栄養分が少なくなります

 

 

気が不足すると推動作用(全身の機能を動かす力)が低下し血を送る力も弱まります

 

 

脾の気が不足すると

食物の栄養吸収が上手くいかず

血の源である後天の精が不足して血の生成が不足するので、ますます血脈は不足してしまいます

 

 

血脈が不足して送る力は弱まるため

脳は栄養不足が深刻になり脳は機能が低下して、めまいを引きおこします

 

 

このタイプのめまいの特徴は

特に夕方の疲れがきつい時に発生しやすく

横になると軽減します

 

 

また、過度なストレスで症状が誘発されます



【このタイプでみられる他の症状】
 ・不正出血がある
 ・慢性の疾患がある
 ・しくしくといつまでも続く頭痛
 ・顔面蒼白
 ・不眠
 ・食欲がない
 ・立ちくらみ
 ・動悸
 ・精神不安
 ・物忘れがある
 ・下痢気味
 ・全身の倦怠感

 

 

 

⑤腎精不足のタイプ
「腎」に蓄えられている精は

東洋医学では神経細胞の髄の元になるもので

髄は脳細胞である髄海と言われています

 

 

人が元々両親から授かった腎精が

先天的・後天的(肉体疲労、老化や過度な性交、慢性的な疾病)により不足することによって、

髄が不足して髄海も不足することで

脳の機能低下によりめまいがおこります

 

 

これは脳細胞が栄養されていないことで

機能が十分に働かない状態です



【このタイプでみられる他の症状】
 ・月経不順・無月経・月経量が少ない
 ・セミが鳴っているような低温の耳鳴り
 ・聴力低下
 ・足腰のだるさ
 ・手足の冷え
 ・脱毛
 ・物忘れがひどくなる
 ・骨や歯が弱くなる

 

 

 

⑥腎陰虚のタイプ
腎陰は身体の陰液で

臓腑、脳、髄、骨を滋養し

発育や生殖を維持します

 

 

また身体の陽気の亢進を抑制

身体に余分な熱がたまるのを抑える役目があります

 

 

ストレス、慢性的な疾病、過剰な性交などにより、体内の水分を消耗・損傷して陰虚となります

 

 

血量も低下して血不足となります

 

 

頭部の気が不足して

脳や髄等を栄養することができずに

めまいがおこります

 

 

【このタイプでみられる他の症状】
 ・セミが鳴っているような低音の耳鳴り
 ・足腰のだるさ
 ・手足のほてり
 ・赤ら顔
 ・視力低下
 ・口渇はあるが水分が多く飲めない
 ・皮膚の乾燥